ワークキャリアのブログを担当している伊藤です。
職業訓練を受けるにあたって、頭を悩ませるのが「どの職業訓練を受けるべきか?」という問題です。
職業訓練のコースは多岐に渡りますので、自分に合ったコースがよく分からない方もいるのではないでしょうか。
そもそも受講できる・できないの条件もややこしいですし、給付金の受講条件も複雑ですし、一人で考えると混乱しやすいです。
しかし、無料〜安価でスキルを身につけられたり、別職種への転職に役立ったりとお得な制度なので、ぜひ自分に合ったコースを選びたいところです。
この記事では、職業訓練の基本的な条件やおすすめコースについて年代別にまとめました。
また女性向け、すぐに就職したい方向けという軸でも紹介しています。
実際に職業訓練を受講した先輩の体験談も掲載しています。
自分に合った職業訓練のコースがイメージしやすくなると思いますので、ぜひ読んでみてください。
ワークキャリアではハローワーク認定の職業訓練校として、以下の講座を開催しています。
eラーニングなので自宅で受講が可能、職業訓練校なので受講も無料です。
公式LINEにて説明会のご案内をしています。
「自分も受講できる?」
「給付金をもらえる?」
「どんな内容が学べる?」
など、気になることがある方はぜひご参加ください。(LINEにて個別の相談も承っています◎)
※コースによっては教科書代、ソフトウェア利用料などが必要な場合があります。
目次
職業訓練(ハロートレーニング)は、希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを習得することができる公的制度です。
国や自治体が主体となり、年間約25万人が受講しています。
Webデザインを学ぶコースやエステティシャンを目指すコースなど幅広いコースが用意されていて、現在は需要の多いデジタル分野での定員増に向けた取り組みが進められています。
職業訓練校に興味のある方は「ハローワークで相談すること」が第一歩です。
住所地のあるハローワークで相談できますので、問い合わせてみましょう。
職業訓練は大きく分けると2種類あり、公共職業訓練と求職者支援訓練に分けられます。
公共職業訓練はさらに4つに分岐しています。
雇用保険への加入状況や受講目的により、自分がどこに該当するか決まります。
全体像は下記のようなイメージです。
どの種類の職業訓練を受講できるかについては、ハローワークの窓口で確認しましょう。
訓練の種類 | 分類 | 対象 | 料金 | 期間 | 手当・給付 |
---|---|---|---|---|---|
公共職業訓練 | 離職者訓練 | 主に雇用保険受給者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 3ヶ月〜2年 | ・基本手当 ・受講手当(500円/訓練日) ・通所手当 ・寄宿手当 |
公共職業訓練 | 在職者訓練 | 在職労働者 | 有料 | 2~5日 | – |
公共職業訓練 | 学卒者訓練 | 高等学校卒業者等 | 有料 | 1年又は2年 | – |
公共職業訓練 | 障害者訓練 | 求職障害者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 3ヶ月〜1年 | – |
求職者支援訓練 | – | 主に雇用保険を受給できない者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 2~6ヶ月 | ・受講手当(月10万円) ・通所手当 ・寄宿手当 ※条件あり |
参考:ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)の全体像|厚生労働省
参考:ハロートレーニング|厚生労働省
自身がどこに該当するのか目星をつけた上でハローワークに行くとスムーズです。
公共職業訓練とは、主に雇用保険に加入している求職者の方が職業訓練によるスキルアップを通じて早期再就職を目指すための制度です。
離職者訓練・在職者訓練・学卒者訓練・障害者訓練に分類されます。
分類 | 対象 | 料金 | 期間 | 手当・給付 |
---|---|---|---|---|
離職者訓練 | 主に雇用保険受給者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 3ヶ月〜2年 | ・基本手当 ・受講手当(500円/訓練日) ・通所手当 ・寄宿手当 |
在職者訓練 | 在職労働者 | 有料 | 2~5日 | – |
学卒者訓練 | 高等学校卒業者等 | 有料 | 1年又は2年 | – |
障害者訓練 | 求職障害者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 3ヶ月〜1年 | – |
離職者訓練や障害者訓練は無料〜少ない実費負担で受講できますが、在職者訓練や学卒者訓練はお金がかかります。
求職者支援制度は、再就職、転職、スキルアップを目指す方が月10万円の生活支援の給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受講する制度です。
雇用保険を受給していない方が主な対象者です。
月10万円の給付金+無料の職業訓練+就職サポートを受けられる手厚さがあります。
分類 | 対象 | 料金 | 期間 | 手当・給付 |
---|---|---|---|---|
求職者支援訓練 | 主に雇用保険を受給できない者 | 無料 ※テキスト代等は実費負担 | 2~6ヶ月 | ・受講手当(月10万円) ・通所手当 ・寄宿手当 ※条件あり |
離職して雇用保険を受給できない方や収入が一定額以下の在職者の方が対象となります。
家族の扶養に入っている方や自営業を廃業する方、アルバイトをしている方など広く対象に含まれますので、気になる方はハローワークで相談してみましょう。
雇用保険を受給中の方にお伝えしたいことがあります。
雇用保険を受給していない方が主な対象者になるものの、求職者支援訓練の受講が適していると判断された場合は、雇用保険を受給中でも受講できることがあります。
「雇用保険を受給中だから、求職者支援訓練は受けられないだろう……」と諦めず、まずは近くのハローワークで相談してみましょう!
Q4 雇用保険を受給中の場合は、求職者支援訓練は受けられないのですか? 求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない方を対象としていますが、ハ ローワークで相談する中で、求職者支援訓練の受講がご本人の就職に適した訓 練であると判断された場合は、雇用保険受給中であっても求職者支援訓練を受 講可能です。
参考:求職者支援制度に関するよくあるご質問
パソコンやプログラミング、医療事務、介護福祉、デザインなど様々なコースがあり、デジタル分野に関するコースが増えています。
「年代ごとのおすすめコースを知りたい!」という方が多いようなので、年代ごとのおすすめコースをまとめてみました。
ただ筆者個人の意見としては、年代にこだわりすぎなくてもOKだと思います。
もし制約がないのであれば、自身の興味や将来像を考えた上で、前向きな気持ちで学べるコースを選ぶことがベストだと考えています!
Web関係のコースは10~20代の若い方が多い傾向にあります。
PhotoshopやIllustratorを使ったデザイン技術やWebページ作成のためのコーディングの技術を身につけるコースです。
就職先としてはオンラインショップ運営会社、スマートフォンアプリ開発会社、Web制作会社などが想定されます。
実際に株式会社ワークキャリアで開講しているWebデザイナー養成科のチラシを確認してみましょう。
「デザイン」と聞くとバナーやチラシ、ポスターを作成するイメージが強いかもしれません。ただ実際の講座ではWebサイトを作る時間が多く確保されていて、コーディングに取り組む時間も多いです。
人によっては、「Webデザイン」と聞いて思い浮かぶイメージとはちょっと違うかもしれません。イメージにとらわれず、科目の内容をよく確認してから検討したいですね。
プログラミング言語などの知識を学び、ソフトウェアの構造設計や基本設計書に基づいたソフトウェアの開発について学びます。
主な就職先はWeb開発会社、ソフトウェア開発会社、ソーシャルゲーム会社などです。
株式会社エスラートが開講しているプログラミング習得科のチラシを確認すると、次のような科目がありました。
HTML・CSS基礎やJavaScript基礎、PHP基礎の講座はそれぞれ96時間あり、かなりのボリュームです。プログラミングについてガッツリ学べそうですね。
20代と同じく、30代の方にもWeb系のコースは人気です。
医療事務関連のコースは30~40代の女性の受講者が多いので、こちらで紹介します。
医療機関での窓口対応や請求事務、システム操作について学べるコースです。
医療事務技能審査試験、医療事務管理士技能認定試験などが受けられることが多いです。
就職先は病院、歯科医院などが一般的です。
佐賀県立産業技術学院で開講していた医療事務・調剤事務・医師事務作業補助養成科のチラシを確認すると、次のような科目がありました。
医療関係の基礎知識からパソコン操作まで幅広く学び、医療事務の仕事に必要なスキルを習得できるコースです。
続いて40代におすすめのコースを紹介します。
一般的なオフィスソフトやビジネス文章の作成などが学べるコースです。
日商PC検定、MOS、コンピュータサービス技能評価試験などが受けられます。
就職先としては、調剤薬局の事務、情報処理企業の秘書、法律事務所や税理士事務所の受付などがあります。
上野法科ビジネス専門学校が開講している事務総合科のチラシを確認すると、次のような科目があると分かります。
「事務ってことはWordやExcelの使い方をメインで学ぶのかな?」と想像していましたが、総務・経理・労務・人事とかなり幅広く学べることが分かり驚きました。
「事務」と言っても、コースによって難易度が異なります。ご自身のパソコンスキルや目指したい方向性を整理した上でちょうど良いコースを探してみましょう。
介護について学ぶことができ、初任者向けから実務者向けなどレベル別に学んだり、訪問介護職員として必要な知識を学んだりできます。
介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、生活援助従事者研修などの受講が可能です。
就職先としては、医療施設、福祉施設、老人福祉施設などが挙げられます。
アイビーメディカル長田校で開講している介護職員初任者研修科のチラシを確認すると、次のような科目があることが分かりました。
専門学校のように網羅的に学習できるようです。
仕事でも役立ちそうですし、両親や祖父母、近所のお年寄りと関わっていく上でも役立ちそうな科目ばかりですね。
続いて50代におすすめのコースを紹介します。
パソコンをあまり触ったことのない方向けに、電源の入れ方やキーボード操作などの基本的なパソコン操作方法から学習するコースです。
日商PC検定、MOS、コンピュータサービス技能評価試験などが受けられます。
就職先としては、調剤薬局の事務、情報処理企業の秘書、法律事務所や税理士などが想定されています。
ウィズパソコンスクール 北千住校で開講している初心者からのビジネスパソコン基礎科のチラシを確認すると、次のような科目があると分かりました。
パソコンを使って仕事をした経験のない方でも基礎的なスキルが身に付くと思います。
特に介護職員養成コースは、50~60代の方の受講割合が高めです。
Web系のコースに比べると、一緒に受講する方にも同年代の方が多く、安心感があると思いますよ。
子育て・介護中の女性も職業訓練が受けられるよう、様々な工夫がされています。
2022年からスタートしたeラーニングコースは完全在宅で訓練を受けられます。
家庭や居住地の都合で通学が厳しい方でも受講しやすいです。
筆者が勤務している株式会社ワークキャリアでもeラーニングコースを開講していますが、子育て中の女性の参加が非常に多いです。
<eラーニングのコース一覧はこちら>
<eラーニングコース受講対象者>
下記のいずれかに該当する求職中の方がeラーニングコースの受講対象者です。
詳しくは、最寄りのハローワーク(公共職業安定所)でご確認ください
eラーニングコースはWeb系や事務系が多い印象ですね。完全在宅で受講できるコースは、在宅ワークしやすい職種とも直結しています。
在宅ワーク狙いの方は、eラーニングコースとの相性が良いと思いますよ。
すぐに就職したい方には介護職員養成コースがおすすめです。
就職率が72.6%と比較的高くなっています。
また受講者の年齢別は30~40代が45.8%、50~60代が39.1%となっており、他のコースに比べて年齢が高めの方が多いです。
2025年には約32万人の介護人材の確保が必要と言われているように、需要が高い介護の仕事。年齢が高めでも比較的就職に繋がりやすい職種なので、すぐに就職したい方との相性が良いでしょう。
居住地や年齢を問わず需要のある職種ですし、国家資格の「介護福祉士」や介護計画を立案する「ケアマネジャー(介護支援専門員)」の資格を取ってステップアップし、収入を上げることも可能です。
参考:介護人材の確保、介護現場の生産性向上の推進について | 厚生労働省
今回ご紹介したコース以外にも、幅広いコースが用意されています。
千葉県で令和5年3月に開講する講座を調べてみました。
参考:ハロートレーニング 千葉県版 令和5年3月開講〜5月開講
パソコン関係のコースから花技術を学ぶコースまで幅広いコースが用意されていますね。時期の関係上、4月開講のコースは数が多く、さらに幅広いコースが用意されています。
実際に職業訓練校を受講した先輩に体験談をお聞きして、記事にまとめています。
印象に残っているのは、実際にWeb系の業界で働いている人のリアルな話が聞けたことです。
「実際にいくら稼いだか」や「仕事にどのくらいの時間を費やしているか」などの話は参考になりましたね。
あとは、キャリアコンサルタントの方と個別で話せる機会もあって、就職に関する個人的な相談をすることもできました。
今後も農業系の仕事一本で行くか、副業としてWeb系の仕事にもチャレンジするかなど相談できて良かったです。
【ジョブトレ卒業生インタビュー】Webデザイナー養成科|S.Yさん(40代女性)
職業人講話やキャリアコンサルタントとの面談、そしてワークキャリアの方たちの働き方を見て、自分にあった働き方について前向きに考えられるようになりました。
受講前は「会社勤めだと、もうやりたいことはできないだろうな」と思っていたんです。
なんとなく「外で働くなら無理しなきゃいけないんだろうな」と……。でも、ワークキャリアの人たちがあんまり無理せず働いている感じを見せてくれたので「楽しく出来るならそれに越したことないよな」って思えるようになりました。
実際、訓練中に専門性と経験、そして訓練で身につけたスキルが活かせ、条件面でも納得のいく就職先を決められました。
「もう一回受けたいくらい受けてよかった!」ジョブトレ広報担当者養成科〜卒業生インタビュー(主婦H.Nさん)〜
スキルの習得はもちろん、これからのキャリアについて考えられる点でも好評のようです。
職業訓練のメリットは次の3つです。
無料で受講できるコースが多く、条件によっては手当や給付金がもらえます。これが最大のメリットです。
専門学校や有料スクールで学ぶような内容を無料で受講できますので、新しい知識やスキルを得たい方にはありがたい制度です。
お金を払って学ぶのではなく、お金を受け取りながら学ぶ。これは職業訓練の大きなメリットです。
一定期間学習に集中できますので、スキルアップや資格取得ができます。
今まで触れたことのない知識に触れたり、気になっていた資格を取ったりすることで、ガラッとキャリアチェンジすることも可能です。
似たような業界で転職することが多いですが、職業訓練を上手く利用すると全くの別業界にもチャレンジしやすいです。
ワークキャリアが運営しているWebデザイナー養成科を受講する方も、全くの未経験からWebデザイン関係の仕事に就く方がいらっしゃいます。
多くの訓練校では受講時間が決まっていますので、学生のようなタイムスケジュールで過ごします。
(eラーニングコースは自由に受講できるなど、例外もあります。)
仕事から離れている時期はつい生活リズムが崩れがちですが、職業訓練校に通えば生活リズムがズレることはありません。
デメリットは3つあります。
即戦力になるような実践的な学習ができるとはいえ、転職活動の際に「実務経験あり」とアピールすることはできません。
「職業訓練を受講したスキルのある未経験者」として転職活動をすることになります。
また申込み後、面接や筆記試験が行われます。倍率が高かったり、相性が良くないと判断されたりすると、選考に落ちる可能性もあります。
申し込んだとしても必ず受講できるわけではありませんので、注意しましょう。
「余裕のある日だけ受講する」「興味のある講義だけ出席する」といった自由さはありません。きちんとスケジュールを確保し、学習に向かう姿勢が求められます。
「お金をもらえるし、一応受講しておくか」という軽い気持ちで受講することはおすすめできません。学ぶ姿勢を整えた上で受講しましょう!
職業訓練を受講する基本的な流れを解説します。
詳しくは住所地を管轄するハローワークにてお問い合わせください。
ハローワークを訪れ、職業訓練についての説明を受けます。
ハローワークで相談を受けながら、適切なコースを探します。
ハローワーク インターネットサービスからもコース一覧を閲覧できますので、ご自宅からゆっくり探すこともできますよ。
申込みは基本的にハローワークで行います。
ハローワークではなく訓練実施機関へ郵送する書類もありますので、詳しくはハローワークの指示に従いましょう。
訓練実施機関にて面接や筆記試験を受けます。eラーニングコースについてはオンラインにて選考が行われることもあります。
合格通知が届き、手続きが済んだら訓練開始となります。
安価〜無料で受講でき、条件によっては手当・給付金を受け取れる職業訓練校。求職中の人にはぜひ活用していただきたい制度です。
ワークキャリアは初のeラーニングコースとして、主に次の3コースを毎月開講しています。
毎月第2水曜20時から説明会を開催していますので、LINEから日程を確認してみてくださいね。
ワークキャリアではハローワーク認定の職業訓練校として、以下の講座を開催しています。
eラーニングなので自宅で受講が可能、職業訓練校なので受講も無料です。
公式LINEにて説明会のご案内をしています。
「自分も受講できる?」
「給付金をもらえる?」
「どんな内容が学べる?」
など、気になることがある方はぜひご参加ください。(LINEにて個別の相談も承っています◎)
どんなキャリアが自分に向いているか不安な方へ。
これからのキャリアや働き方について相談できるカウンセリングを実施中。
「今すぐ受講できない」 「まずは話を聞いてみたい」方も申込可能です!