公共職業訓練と求職者支援訓練の違い|失業保険や給付金との関わりも解説

お役立ちコラム 2023.05.19
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※本記事における「職業訓練」とは「公共職業訓練」のことです。

職業訓練には「公共職業訓練」「求職者支援訓練」の2種類があります。

職業訓練について調べていると、ハローワークや厚生労働省のサイトなどで目にする言葉なのではないかと思います。

とはいえ、職業訓練は国の制度が関わるものなだけに、かしこまった説明が多くて違いを理解するのが難しいですよね。

そこでこのページでは、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いをやさしい言葉で分かりやすく解説します。
それぞれの訓練と失業保険や給付金との関係性や、両者の選び方も説明しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

求職者支援訓練校で働いている私が解説しました!

ワークキャリアではハローワーク認定の職業訓練校として、以下の講座を開催しています。


eラーニングなので自宅で受講が可能、職業訓練校なので受講も無料です。

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「自分も受講できる?」
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など、気になることがある方はぜひご参加ください。(LINEにて個別の相談も承っています◎)

※コースによっては教科書代、ソフトウェア利用料などが必要な場合があります。

公共職業訓練と求職者支援訓練の違いは「誰向けの訓練か」

机の上に勉強中の本と紅茶がが置いてある様子

まず、公共職業訓練と求職者支援訓練の大まかな違いを説明しますね。

前提として、両者は以下のように分かれています。

  • 公共職業訓練:雇用保険(失業保険)をもらっている人向け
  • 求職者支援訓練:雇用保険(失業保険)がもらえない人向け

退職後、前職の職場で雇用保険に入っていた人はハローワークで申請すると雇用保険が受け取れます。

この「雇用保険」というのが、いわゆる失業保険のことですね。

そして、公共職業訓練と求職者支援訓練には、失業保険をもらっている人向けか、もらえないない人向けかの違いがあります。

つまり、失業保険の有無を基準として訓練受講者のメインターゲットが異なるわけです。

注意したいのは、あくまでも「メインターゲット」の話だということ。

公共職業訓練は失業保険をもらっている人向け、求職者支援訓練は失業保険がもらえない人向けと書きましたが、失業保険をもらえない人でも受けられる公共職業訓練があったり、失業保険をもらっている人が求職者支援を受けられたりする場合があったりします。

ややこしいので表にすると以下のようになります。

職業訓練の種類メインターゲットメインターゲットではないが受講できる可能性がある人
公共職業訓練雇用保険(失業保険)をもらっている人雇用保険(失業保険)をもらえない人
求職者支援訓練雇用保険(失業保険)がもらえない人雇用保険(失業保険)をもらっている人

「あれ?結局違いはないということ?」と思うかもしれませんが、現行の制度上ではこのように分類されています。

正直分かりにくかったのでハローワークに問い合わせてみましたが「職業訓練を受けるのに雇用保険は一つの基準ではあるが、受けられるかどうかはその人の状況による」とのことでした。

結論、受けたい職業訓練がある場合は近所のハローワークで相談するのが手っ取り早いですね。

参考:千葉労働局「公共職業訓練のご案内」
参考:千葉労働局「求職者支援訓練のご案内」

公共職業訓練とは

高校の教室・黒板と机と椅子がある

では、2種類の各職業訓練についてもう少し詳しく説明していきます。

前の章では触れませんでしたが、ここから先は給付金(職業訓練受講給付金)との関係についても見ていきましょう。

まずは公共職業訓練についてです。

▼公共職業訓練の概要

  • 誰向けか(メイン):失業保険を受けながら受講する人向け
  • 給付金はもらえるか:原則もらえない(例外的にもらえる場合もある)
  • 費用:無料(テキスト代等は自己負担)

ちなみに「公共職業訓練」は厳密には障害者訓練などを含む言葉です。

求職中の人向けの訓練は特に「離職者訓練」という名前が付いています。

とはいえ多くの資料やサイトで、公共職業と離職者訓練は同じ意味の言葉で使われています。

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「離職者訓練の詳細説明」

失業保険(雇用保険)をもらいながら受けられる

繰り返しになりますが、公共職業訓練は失業保険をもらっている人向けの訓練です。

つまり、失業保険をもらいながら受けられます。

ただし、失業保険をもらっていない・もらえない人でも受けられる場合があります。

ハローワークの担当者によると、公共職業訓練の中には雇用保険対象外の人でも受けられるものがあるとのことでした。

具体的にどのコースが該当するかなど、詳しくは最寄りのハローワークに聞いてみましょう。

職業訓練受講給付金は「原則」もらえない

公共職業訓練の場合、職業訓練受講給付金は原則もらえません。

職業訓練給付金は基本的に求職者支援訓練用の制度だからです。
ただし、給付金受け取りの要件を満たしており、ハローワークが認めた場合は給付金が支給されることがあります。

厚生労働省の資料には以下のような記載があります。

“Q19. 公共職業訓練を受講する場合は、職業訓練受講給付金は受けられないのですか?

ハローワークで相談する中で、求職者支援訓練より公共職業訓練の方が就職のために適した訓練であるとハローワークが判断した場合は、公共職業訓練も受講可能であり、要件を満たせば、職業訓練受講給付金も受けられます。”
(引用元:求職者支援制度に関するよくあるご質問

公共職業訓練は無料で受けられる(テキスト代は別)

公共職業訓練は求職中の人は無料で受講可能です。

在職中の人向けに有料で実施されている訓練もあります。

受講料は無料ですが、コースによってはテキストやパソコンソフトなど、一部費用を自己負担が必要なものもあります。

公共職訓練のコース例の一覧

公共職業訓練には以下のようなコースが開講されています。

▼公共職業訓練のコース例

  • CAD・CAMエンジニア科
  • アパレルビジネス科
  • Webビジネス活用科
  • ITビジネス実務基礎活用科
  • オフィスビジネス科
  • 電気設備技術科
  • テクニカルオペレーション科 など

参考:ハローワークインターネットサービス「職業訓練検索」の公共職業訓練検索結果

求職者支援訓練とは

書類作成中の手元

次に、求職者支援訓練について説明します。

  • 誰向けか(メイン):失業保険がもらえない人向け
  • 給付金はもらえるか:要件に当てはまればもらえる可能性がある
  • 費用:無料(テキスト代等は自己負担)

「原則」失業保険(雇用保険)の対象外の人向け

求職者支援訓練は、基本的には失業保険がもらえない人向けの職業訓練です。

前の職場で雇用保険に入っていなかった場合など、なんらかの理由で失業保険がもらえない人が受けられます。

ただし、ハローワークに認められれば失業保険をもらいながら求職者訓練を受けることができます。

自分が失業保険をもらいながら求職者支援訓練が受けられるか気になる場合は、窓口で相談してみましょう。

私が働いている訓練校では、実際に失業保険を受給しながら求職者支援訓練を受けている受講生が何名かいます。

職業訓練受講給付金がもらえる場合がある

求職者支援訓練では、要件を満たせば職業訓練受講給付金がもらえる可能性があります。
私の働いている訓練校でも給付金をもらいながら訓練を受けている人が複数います。

あえて「可能性がある」と書いているのは、給付金の支給には審査があるからです。

ちなみに、失業保険と職業訓練受講給付金を並行してもらうことはできません。

給付金に関する詳しい内容は、以下のページで解説しています。

関連記事:職業訓練の給付金がもらえる資格と条件 | 審査に落ちるパターンとは

求職者支援訓練の例の一覧

求職者支援訓練には、以下のようなコースが開講されています。

▼求職者支援訓練の例

最近では、通学不要で全国どこからでも受けられるeラーニングコースも開講されています。

家事や育児、自宅の立地などの問題で通学が困難な場合にも受講しやすいですね。

公共職業訓練と求職者支援はどっちがおすすめか

階段の遊具にロボットが座っているクレイアート

公共職業訓練と求職者支援訓練について説明してきましたが「結局自分にはどっちがおすすめなの?」という疑問があるかもしれません。

これまでの説明を踏まえて、受けられる訓練の選び方やおすすめをまとめますね。

まず、公共職業訓練と求職者支援訓練を表で整理すると以下のようになります。

条件公共職業訓練求職者支援訓練
雇用保険(失業保険)をもらいながら受講できるかハローワークに認められれば◯
給付金がもらえるか
※状況次第で例外的にもらえる場合もある
給付金の要件を満たせば◯
無料で受けられるか
※テキスト代等は自己負担

※テキスト代等は自己負担
公共職業訓練と求職者支援訓練の違いの比較表

そして、受けられる職業訓練やおすすめの職業訓練を判断する方法は以下の通り。

【パターンA:雇用保険も給付金もいらない場合】
・受けられる訓練:一部の公共職業訓練・求職者支援訓練
・おすすめの訓練:求職者支援訓練

【パターンB:雇用保険は欲しいけど給付金はいらないor受けられない場合】
・受けられる訓練:公共職業訓練・求職者支援訓練(ハローワークの許可が必要)
・おすすめの訓練:公共職業訓練

【パターンC:雇用保険はいらないor受けられないが給付金が欲しい場合】
・受けられる訓練:一部の公共職業訓練・求職者支援訓練
・おすすめの訓練:求職者支援訓練

【パターンD:雇用保険も給付金も欲しい場合】
・受けられる訓練:原則なし(ハローワークに要相談)

比較表とパターン別の判断基準を元に、受講する職業訓練を考えてみてください。

カリキュラムで選ぶ→ハローワークで相談の流れがGOOD

職業訓練を選ぶときは、まずはカリキュラムで選ぶことをおすすめします。

理由は、雇用保険や給付金などの条件はケースバイケースな側面があり、結局はハローワークに確認しなければ分からないからです。

まずは興味のあるカリキュラムが組まれた訓練をいくつかピックアップし、その中から条件的に受けられるものやおすすめのものをハローワークの窓口にて相談してみましょう。

FAQよくある質問

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最後に、職業訓練に関するよくある質問3つにお答えします。

失業保険をもらっても生活費が足りない場合に使える制度はある?

「求職者支援資金融資」という制度があります。

職業訓練受講手当(雇用保険の支給)を受けても、手当だけでは生活費が不足する場合に融資を受けられます。

詳しくは以下のページを確認してみてください。

参考:求職者支援資金融資のご案内

求職者支援制度(職業訓練受講給付金がもらえる制度)の対象者は?

求職支援制度の対象者については、以下のページで詳しく解説しています。

関連記事:職業訓練の給付金がもらえる資格と条件 | 審査に落ちるパターンとは

職業訓練はどうやって探せば良い?

職業訓練はハローワークのインターネットサービスで検索できます。

また、近隣のハローワークに置かれているチラシや掲示物からも情報収集が可能です。

さいごに:自宅で受けられるeラーニング型の職業訓練がおすすめ

記事内でも少し紹介しましたが、最近はeラーニング型の職業訓練も開講されています。

通学が一切不要なコースも開校されており、在宅での受講が可能です。

eラーニング型職業訓練の導入により、これまで育児や家事、居住地などの問題で職業訓練が受けられなかった方でも受講できるようになりました。

ちなみに、私は株式会社ワークキャリアが運営するeラーニング型の求職者支援訓練校「ジョブトレ」で働いています!

ジョブトレは全国どこからでも受けられるので、北海道から沖縄まで全国から受講生が集まっています。

そんなジョブトレは現在3つのコースを開講中です。

詳しいカリキュラムや受講方法などは、下のリンクから確認してみてください!

ワークキャリアではハローワーク認定の職業訓練校として、以下の講座を開催しています。


eラーニングなので自宅で受講が可能、職業訓練校なので受講も無料です。

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