大学1年生の夏にワークキャリアを受講後、アルバイトはせずに学生フリーランスとしてお仕事をしている隈部 萌栞(くまべ ももか)さん。「正規ルートではない道を歩む大人と出会って視野が広がった」「就職以外の選択肢を知っているので安心感がある」とお話ししてくれました。
「大学生がお金を稼ぐ手段=アルバイト」「いい大学に入り、いい企業に就職するのが勝ち組」こういった考え方にとらわれすぎない柔軟な隈部さん。明るい気持ちで就活・就職に向かう大学生が増えることを願っています。
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目次
お茶の水女子大学の2年生です。浪人してから進学して、今は1年間休学中なので、年齢としては大学4年生の歳になります。
休学した理由は主に2つあります。
1つ目は仕事に集中したいという理由です。学業をこなしながらだと、当たり前ですがお仕事は空きコマや放課後にすることになるんです。取材のお仕事は日中に行われることもあり、一度仕事に集中する時期があってもいいのではと思い、休学が視野に入りました。
2つ目は学生だからこそできることや許されることが多いので、学生期間を伸ばしたかったんです。企業訪問やOBOG訪問、インターンなど「学生だからこそ」できることは結構多くて。学生だからできることをなるべく多く経験してから就職したいと思い、休学しました。
ワークキャリアの繋がりで知り合った大学生も休学している人が多かったので、休学への心理的ハードルは高くなかったです。
取材と取材記事の執筆がメインです。FP(ファイナンシャルプランナー)さんに取材をしたり、転職サイトの記事を執筆するために様々な企業に話を聞いたりしています。
もともとはSEOライティングをしてましたが、SEOはあまり好きになれなくて。
※SEOライティング:検索された時に上位に表示されることを重要視して記事を作成するもの
それよりも話すことや人の話を聞くことが好きなので、取材の方が楽しみながら取り組めています。FPの方にお話を聞くと、全然知らなかったお金の知識も得られます。視野が広がるところも取材ライターの好きなところです。
取材が時給5,000円、取材記事の執筆が時給1,800円くらいです。今はクライアントさんにも恵まれているので比較的単価の高い案件をいただいている状態ですね。
あります!先月は取材の件数が多く、月収20万円を超えました。今は休学中で仕事に集中できますし、単価も高いので、月収は高めな時期ですね。
学校がある時期は空きコマや放課後しかお仕事できないので、アルバイト代くらい(月5万円前後)を下回ることもあります。つねに月収20万円ということではありません。
スタバ、個人経営のカフェ、ディズニーでアルバイトしてみたいです。大学1年生から学生フリーランスとして活動しているので、実は一般的なアルバイトをしたことがなくて。やりたいと思える内容の仕事はやってみたいです。
ただ“お金のために”という理由だけでアルバイトをするモチベーションはあまりわかないかもしれません。お金というよりは内容で決めたいと思っています。
友人の話を聞いていると、アルバイトを探すときの条件として場所やシフトの融通が利くか、髪色やネイルは自由か、というポイントを重要視している人は多いように感じます。例えば塾講師のアルバイトは髪色に厳しかったり、清掃のアルバイトは髪色の自由度が高かったりしますよね。
私はフリーランスなので、場所・シフト・髪色・ネイルなど全部自由なんです。場所・シフト・髪色・ネイルなどを自由にしたい大学生はフリーランスもおすすめだよと思っています。
周りからは「すごいね~!」と言ってもらえることもありますが、自分としてはそんなに変わらないと思います。在宅バイト感覚でやっているので。
でも考え方は結構違うかもしれません。色々な大人と過ごすことによる視野の広さ、他の選択肢が見えているかどうかの違いはたまに感じます。その部分については、後ほどお話ししますね!
「地元で面白そうなことしてるな~」と思ったからです。実はワークキャリアが開催されている千葉県いすみ市は地元で、スクールのことは高校生の頃から知っていました。
「大学生になったら受講したい!」とずっと思っていて。コロナが流行り時間に余裕があったので、大学1年の夏休みに受講しました。
コワーキングスペースhinodeに見学に行ってみたら、雰囲気がよかったので受講を決めました。
Webライティングと動画制作がメインです。
個人的には、いろんな大人たちと話した思い出も強く残っています。
受講時に稼げた金額は1万円弱くらいで、正直フリーランスとしての成果はあんまりなかったです……。案件はすべてライティングでした。
それよりも、いろんな大人たちと出会えてたくさん話せたことで、視野が大きく広がって、人生が変わったのが大きな成果だと思います。後ほど詳しくお話ししますね!
短期間で基礎力がついたこと、フリーランスの仲間ができたことが大きかったです。
基礎力というのは、案件の提案力やビジネススキルなどです。受講当時は大学1年生でアルバイト経験もないので、ビジネススキルは0でした。メールの書き方や敬語の使い方、クライアントさんとの連絡のやり方なども分からなくて。でも、ていねいに教えてもらえました。
ビジネススキルが身についたおかげで、継続案件をもらえることも多いです。スキルだけでなく、やりとりのしやすさやていねいさが仕事獲得に繋がるのだという学びにもなりました。
フリーランスの仲間がいることも良かったです。繋がりは長く続きますので、今も仲間からお仕事をもらえることがあります。今取り組んでいる取材のお仕事も、フリーランス仲間との繋がりからいただいたものです。
しんどい時に共感してもらえるのも救われます。例えば納期が集中している辛さを分かってくれる人が近くにいるのはありがたいですね。
ワークキャリアの開催地域に住んでいる人は、“いわゆる正規ルート”から外れている人が多いんです。わたしが思う正規ルートというのは、いい高校やいい大学に進学して、いい企業に就職して、ずっと勤め続けるような人です。
でもワークキャリアに関わる大人たちは、それぞれ色んな経験をして、その正規ルートを歩んでいない人が多くて。
今まで触れてこなかった大人たちだったので新鮮でした。
海外から帰ってきたばかりで、仕事はほどほどに抑えて、すごく楽しそうに生活している人がいたり。YouTuberとして活躍する人がいたり。「こんな生き方もありなんだ!」と新鮮でした。
そういう人たちは否定せずに話を聞いてくれたり、人に深入りしすぎなかったり、些細なことを褒めてくれたり、距離感がすごく心地よかったです。
周りの友達は就活の時期にすごく病んでて。病み具合を見ているとすごく大変そうなんです。「受からないと死ぬ」くらいの焦りや不安もあるみたいで。
わたしは色々な大人と話したり、学生のうちからフリーランスを体験していたりした影響か、正規ルートを歩まなきゃ!というプレッシャーはあまり無いですね。いろんな大人と話せたことは大きい経験になっています。
そう思います。実際、ワークキャリア受講から2年以上経ちますが、今もいすみ市のコワーキングコミュニティhinodeや富津市のコワーキングスペースまるもなどに通っています。
最初の1年間なんて、コワーキングスペースに行って人と話したいがためにフリーランス活動をしていたくらいでした(笑)それくらい「この空間にいたい」という気持ちが強かったです。否定しない程よい距離感が心地よくて。
例えば「え、それは違うんじゃない???」といった否定の言葉を使ってこないんです。「その意見いいね。あと、他に○○という考えもあるよね」といった肯定の言葉で話してくれて。いる人の言葉の使い方も心地よいなと感じます。
思います!特に3つの点でプラスになったと感じます。
・企業に就職することのメリット・デメリットを明確に知れた
・特色ある「ガクチカ」を手に入れられた
・就職以外の選択肢を持てた
└色々考えたうえで就活に向かえるため、就活・就職の意義をより感じられる
└就職できなくても生きていける安心感を得られた
まだ大学2年生ですが、就職や就活にプラスになると感じています。
※ガクチカとは:「学生時代に力を入れたことは?」という就活時の定番の質問。
企業によって見せ方は変わると思いますが、例えば即戦力を求めている会社であれば、自分で仕事をしてきた経験や営業〜クローズまで一貫して関わった経験をアピールできると思います。
大変だったことや乗り越えたことを聞かれた場合も「自分の実力からすると難易度の高い案件を獲得して大変でした。でも○○をすることで乗り越えました」などと答えられるはずです。部活動やアルバイトだけでなく、社会人という立場で、仕事面でアピールできる経験があるのは大きいかなと思っています。
「フリーランス」というワードが使える点でもアピールできそうですよね。他の就活生はアルバイトやサークル、留学の経験を話す人が多いと思うので。仮に内容自体は似通ったとしても、「フリーランス」というワードに興味を持ってもらえるかもしれません。
就職したいと考えています。
アルバイトも含めて1度も雇われた経験がないので、雇われるという経験をしてみたいです。
フリーランスは経験できたので次は会社員を経験して、自分に向いたものを選ぶための判断材料になれば嬉しいですね。会社員は保険関係や健康診断、家を借りる場合など制度や社会的信用がある点でも良いなと考えています。今はゆったりしたスケジュールで仕事をしていますが、週5勤務で修行したい気持ちもあります。
今も社会人のように仕事しているとはいえ、一人で行動することが多いんです。就職して、組織のみんなで働く経験を通して、社会人の基礎力を身に付けられたらと思っています。
フリーランスに挑戦してみて「ある程度は時間が決まっていた方がテキパキと働けそうだ」と思いました。取材の仕事は時間が決まっているので、テキパキとこなせるんです。
でも、自由度の高すぎる仕事だと、ついゆっくり取り組んでしまって。働く時間がある程度決まっている会社員の方が合っているかも、と感じることはあります。フリーランスに挑戦したからこそ気付いたことです。
フリーランスになるのは、案外ハードルは低いです。わたしも最初は1万円に満たない収入でしたが、今は時給5.000円、月収20万円を超えることもあります。ちょっとずつでも続けていれば徐々に形になると思います。
一人で挑戦するのは不安な人、より視野を広げたい人は、ぜひワークキャリアを受講してほしいです。学生のうちに受講することで、視野が広がったり、選択肢が増えたりと、良いことがたくさんあります。就活に向かう気持ちも変わってくると思います!
編集後記
隈部さんへの取材で印象的だったのは「正規ルートを歩まなきゃ!というプレッシャーが無くなった」という言葉です。特に難関大学に在籍していると、周りに合わせて正規ルートを歩まなければというプレッシャーを感じてしまうのが普通だと思います。
そんな中でちょっと変わった大人と話したり、休学を挟んだり、フリーランスとして社会人の経験を積んだりと様々な活動をしている隈部さんは、きっと今後も柔軟に自分らしいキャリアを作っていける強い方だと思います。柔軟さは強さだな、と思わされました。
留学やインターンに行くのと同じような感覚で「ワークキャリアの受講」を選択する学生さんが増えたら、自分に合った働き方をできる人が増えるのではないでしょうか。ワークキャリアでは、大学生の受講を大歓迎しています!
プロフィール
隈部 萌栞(くまべ ももか) 2000年生まれ
現在のお仕事:取材ライター
ワークキャリアの受講地域:千葉県いすみ(2020年8月受講)
Twitter:https://twitter.com/0bearkumabear0
記事を書いた人
株式会社ワークキャリア マーケティング事業部 伊藤菜々
94年生まれ千葉県在住。大学時代のアルバイトや教育実習の経験から「週5日も会社員として働くのは自分には無理だ」と感じ、新卒でフリーランスのWebライターに。現在はフレックス・リモートで週3社員として勤務中。
みんなが幅広い選択肢を持ち、みんながご自愛しながら生きられるような社会になればと願いながら、まずは自分に合った働き方×田舎暮らしを実践中。趣味は家庭菜園。
Twitter:なな(@777nanadayo777)
どんなキャリアが自分に向いているか不安な方へ。
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